平成15年7月17日
 内閣総理大臣     小泉 純一郎 様  
 厚生労働大臣     坂口  力  様
 農林水産大臣     大島 理森 様
 食品安全委員会委員長 寺田 雅昭 様

                                                  社団法人 北海道消費者協会
                                                           会 長  辻  冨 美 子


                                遺伝子組換え食品に関する要望

 遺伝子組換え大豆の試験栽培が昨年北見で実施され、さらにこの春札幌において、遺伝
子組換えイネの試験栽培が、消費者及び地域住民の不安が残された中で強行された。
 遺伝子組換え作物の花粉や種子の飛散等により、周辺の非組換え作物に混入する例は、
アメリカ、カナダにおいて後を絶たず、こうした状況に消費者が不安を抱いている中で、
一般ほ場での試験栽培は容認できない。
 また、この度の一般ほ場での試験栽培は、クリーン農業を目指す北海道農業の将来にも、
重大な影響を及ぼすのではないかと深く憂慮する。
 国は、遺伝子組換え作物の取扱い及びその食品表示について、次のとおり見直すよう要
望する。

 1 遺伝子組換え食品の安全性審査は、申請者の提出資料により行われているが、その確
 認試験や慢性毒性試験、発がん性に関する試験は行われていない。
  こうした審査手続を見直し、内閣府に新設された食品安全委員会の遺伝子組換え食品
 に関する専門調査会に消費者代表を加え、さらなる安全性確認のために必要な試験は調
 査会が行い、試験結果の情報を公開すること
  また、安全性審査に、少なくても慢性毒性試験や発がん性に関する試験を必須項目に
 加えること

 2 国は、上記調査会の設置を待つまでもなく緊急に次の実態を調査し、その情報を公開
 すること
   (1) アメリカをはじめ、遺伝子組換え作物を栽培している国においては、組換え作物の
  花粉や種子の飛散等により、周辺の非組み換え作物に混入しているとの報告があるが、
  その実態

  (2) 除草剤耐性の遺伝子組換え作物の栽培に伴い、アメリカ各地で除草剤に耐性をもっ
  た雑草が発生しているとの報告があるが、その実態

 3 上記1の審査手続の見直し及び2の実態が明らかになるまでの間、国内の一般ほ場で
 の試験栽培は一時凍結すること

 4 遺伝子組換え食品の表示制度を抜本改正し、すべての食品、種子、飼料等を表示対象
 とし、表示方法は使用しているものにのみ「使用」と表示すること
  また、「意図せざる混入」の割合は、少なくとも1%以下にすること       








                                             平成15年7月17日
 北海道保健福祉部 部 長  小田 清一 様
 北海道農政部   部 長  麻田 信二 様


                                                   社団法人 北海道消費者協会
                                                            会 長  辻  冨 美 子


                        遺伝子組換え食品に関する要望について


 このことについて、平成15年7月16日開催の第1回消費者運動代表者会議において別紙の
要望が組織決定されましたので、本日、国に対し要望書を送付しました。
 つきましては、北海道におきましても、この要望の趣旨に沿って対応されるよう要望します。
 なお、「遺伝子組換え食品の表示」及び「意図せざる混入割合」の見直しにつきましては、貴職
から国に対し要望くださるようよろしくお願い申し上げます。